#試験監督(1)

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高校には定期考査というものがある。3学期制の頃は年5回だったが、前期後期制になった今は4回だったろうか。その試験監督は、自分の教科の監督をするわけではない。機械的に割り振られる。自分の教科の場合は、何か試験問題に問題や質問が出た場合に対応できるように、その時間は監督からはずされるのがふつうである。

この試験監督というのは授業をやるよりはるかにしんどい。授業だったら、教材を使って教える訳だから、教師は能動的にかかわれるが、試験監督はひたすら見張り続けるだけという受動性を強いられる。だから、時間が経つのがやたら遅い。50分なら50分の間、ひたすらその50分が経過するのを待つ。もし、その間に本を読んだり、採点できればいいのだが、それは許されない。じっと不正行為がないように目を配るのである。

だれだったか忘れたが、先輩教師から、おれたちは、この試験監督という非生産的な時間でどれだけ人生の時間を空費させられているだろうか、教員人生を通してその時間を合計したら相当なものになるぞ、と話しかけられたのを聞いた覚えがある。またある先輩教師は、おれは机間巡視しながらひたすら数を数えることにしている。そうすると、時間が経つのが速くなる気がすると教えてくれた。一度試してみたことがある。試験問題を配り終えてから、いーち、にーい、さーんと心の中で数え始めた。試験時間が50分として、一つ数えるのに1秒かけるとすると、1分間に60回数えることになるから、50分×60で、3000まで数えればピンポン、カンポンと終了のチャイムが鳴る計算だ。だが、1000ぐらいまで数えてバカバカしくなってやめてしまった。かえって、その無意味さによって時間が経つのがいっそう遅く感じられ始めたのである。

これはいわば、禅の「無」の境地にはいるような悟りの修業のようなものかもしれない。どう頑張っても未熟者の自分に「無我」にいたる修養が出来る訳がない。頭の中を空っぽになどできない。なら、適当な邪念を核に思念を紡げばいいのかもしれないと思ってみたが、考えるべき適当なテーマが都合よく浮かんでくるわけでもない。それに、もし何らかのテーマにそって思考をめぐらしたとしても、その思考過程のいちいちを紙にメモしながら、次の思考段階に進むというような段階を追う作業が許される状況にはないので、ちょうど悩み事を夜中に蒲団の中で考え、堂々巡りしてのたうつような不健全なことになってしまう。

生徒は問題を解くという明確なモチベーションによって集中できるのだろうが、そういうモチベーションがないままただ時間を食いつぶすことを強いられる試験監督という仕事は、ある意味で一種の苦行である。

13 thoughts on “#試験監督(1)

  1. 私なりの試験監督の楽しみ方。それは試験問題を解答していくということです。教卓の上には試験問題しかないのでそれを見ていても何の問題もないはず!?えぇっ?メモも許されないって・・・。勿論、机間巡視したり生徒への監視は怠らずが基本ですが(笑) 

  2. ほう!そんなに試験監督というのはキツイ役割りだったのですか(゜ロ゜;ノ)ノ
    じっとしているのが苦手なら、なおさらかもしれませんね💦💦 自分は机にひたすら英単語を机に書きまくりました。いざ、英単語のテストが始まってもどこに何を書いたのか・・・結局 探す手間に時間がかかりトホホ状態(;´д`) 終れば机いっぱいに書いた単語を消すのに一苦労💦💦消しゴムのカスでまた消しゴムができそうなくらいの量になりました。

    • それって、いわゆるカンニング?‼️英単語テストは教科担任が試験監督でしたよね?漢字テストは担任が監督だったけれど…。「覚えるために机にメモしたことがあったら今消してください!」と注意してから始めましたからカンニングは出来ないはず😰 それにしても消しゴムのカスで消しゴムが出来るってねぇ(笑)

  3. 美術館に就職した友達が館内の監視の時は睡魔との戦い、とよく言ってました。
    腰掛けられるのは楽だけど返って眠気を誘いいっそ立ったままの方が凌げるとも…
    拷問のようだ~と叫んでる時もありました(笑)

    • そうですよね。本を読んでいたり寝ている人を見ることはないですね。外国の衛兵なども身動きせずに立ったままで辛そう!職業柄大変さが色々あるようです。

  4. 試験監督は気を配る大変な時間なのですね!

    先生に寄って
    生徒一人一人の横を歩いていたり・・
    何か書き物をしていたり・・
    ずっと腕を組んで座っていたり・・

    試験中に一番後ろの席だった私が
    消しゴムを落としてしまった時に
    スゥ~と拾いに来てくれて
    シッカリ見られていることに驚きました!

  5. 試験かー、ありましたねー。全く何も覚えてないんですが・・・

    試験監督の先生のパターンも確かに色々でしたね。ずーっと座っている、座っていて時折歩く、座らずに立っていて、時折後方に動くとか、様々だったように思います。

    一度だけ英語で追試になったことがありましたねー何年の時だったのか?
    大橋先生でした。やはり恥ずかしいし、はぁぁぁーーーでした。追試は受けまいと思いましたね。

    本を読むのは好きだったけど、教科書を読むのは好きになれない私でした(笑)

    • 追試ですか❗️それは大変😞💦 でも進級とか卒業がかかっていなくて良かったですね😊

  6. 物理…。教わったのは、伊藤剛先生だったと思います。

    赤点になってしまい💦←なってしまったのではなく、はじめから諦めた💦

    ビッチリ書かれたレポートを10枚写し書き。
    それが、赤点お仕置き(笑)
    物理だけは、どうしても…好きになれなかった💦

    今年の同窓会で、
    ご記憶にはないでしょうが…先生に、教わりました。と、声を掛けてみましたら…。
    僕は、かなりの意地悪だったでしょう〜(笑)(笑)と…にこやかに応えられておりました。
    私は、物理は、好きになれませんでしたが…授業中の先生の表情が面白くて…好きでした(笑)ツボに入っていたのは、私だけ?(笑)
    なんでも、可笑しいお年頃でした。

    • 実は私も学生時代は物理が苦手でした!教科担任も伊藤剛先生。確か配点が20点の5問とかでクラス平均点が20点と低レベル……。よく進級出来たと思います(笑)みんな出来ないから60点以上得点出来れば評価が高くなります!

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