#立春の卵

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「立春の卵」という言葉をご存じでしょうか。今年の立春は2月4日のようですが、暦の上での立春の日には、通常は立たないニワトリの卵を立てることが出来るという古くからの俗信のような言い伝えがあります。立春の日に、本当に立つかどうか試してみてください。

この「立春の卵」の話は、年度のスタート期のホームルームや学年集会でしばしば話のネタとして使ったのでした。その内容を思い出しながら、書いてみます。

「コロンブスの卵」という話がありますが、あれはゆで卵の底にコチンとひびを入れて立てるというインチキですが、「立春の卵」にしろ「コロンブスの卵」にしろ、その話の前提には「卵は立たないものだ」という常識があります。でも、立春という特別な日でなくても、インチキしなくても、集中力と根気さえあればだれでも卵を立てることはできるのです。では、なぜ「卵は立たない」という常識が出来上がったのでしょうか。いくつか理由を考えることができます。

・卵を立てることが出来たとしても何の意味もない。だからだれも真面目にチャレンジしなかった。

・試してみた人もいるかもしれないが、内心、どうせ立つはずがないと思っているから、すぐにあきらめてやめてしまった。

いずれにしろ、強固な常識が壁になっているのです。これは、仮説実験授業という教育方法の提唱者である板倉聖宣という教育学者の『科学的とはどういうことか』(仮説社)というとても知的刺激に満ちた本で知りました。「立春の卵」については雪の結晶の研究から「雪は天からの手紙である」という有名な言葉を遺した中谷宇吉郎にも同名のエッセイがありますので(『中谷宇吉郎随筆集』(岩波文庫))、興味があれば読んでみてください。

ぼくは、それらを読んで、卵立てにチャレンジしたのでした。30分以上かかりましたが、実際に卵を立てることが出来ました。その時には、本当に感動しました。コツをつかむともう少し短時間で出来るようになります。理屈的には、卵の殻の表面にはたくさんのプチプチがあります。そのバランスの安定する3点のプチプチの配置をみつけると立ちます。新鮮な卵ほど、プチプチも磨滅していないので、立ちやすいようです。親指、人差し指、中指ないし薬指の3本の指でそっと持って、安定点を探るのです。粘れば、先のとんがった方を下にしても立たせることができるようです。

というような内容をコンパクトに要約して、本題に入るわけです。常識にとらわれてはいけないとか、意味ばかり求めてはいけない、即効的に結果の出る意味もあれば、今は無意味に見えても人生の終わりごろになって滲み出すような奥深い意味もあるわけだから、例えば今のこの教科の勉強には何の意味もないと小賢しい判断で努力を放棄してしまうのはとてつもない損失になるのかもしれない、とか、「どうせ卵は立たない」=「どうせ自分なんかに出来っこない」と自分で自分の能力、可能性を限定しては駄目です、そういう考え方の癖をつけてしまうと自分で作った自分の限界を超えることは絶対にできません。「もしかしたら卵は立つかもしれない=自分は出来るかもしれない」と自分自身を信じること、なかなか思うようにいかなくても愚直にチャレンジし続けること、それが大事です、というような話に持っていったわけです。

時間があれば、冷蔵庫から卵を引っ張り出して、無我の境地で、卵立てにチャレンジしてみてください。

#立春の卵」への5件のフィードバック

  1. 私も卵を立てましたよ!昔、美術の授業で卵立ててデッサンをするということをしました。卵が立たないとデッサンが出来ないから生徒は卵立てに集中し、そして立った卵が倒れないよう神妙に鉛筆を走らせていました。この集中力は絶対何かの役に立つと信じていました(笑)
    さあ、皆さんもやってみて!そして結果コメントお待ちしています(笑)

  2. 雪は…天からの手紙。この言葉、好きです。
    旭川の雪の美術館に行くと、この本が置いてありますよ。
    小学生の道徳の教科書にも載っています。

    雪の美術館、綺麗なところで…喫茶ルームの、オーロラジュースが美味しい‼️ まだ、あるのかな〜?

    たまご、立ててみなくちゃ‼️

    • 旭川の雪の美術館まで足を伸ばしているのですね。読書歴、流石です!
      卵立て、是非チャレンジしてみてください。結果報告待ってます‼️(笑)

  3. 『コロンブスの卵』

    コロンブスとはアメリカ大陸を発見した人!その後アメリカ大陸を見つける人々が現れて
    「なんだ!簡単じゃないか」と住民からもヤジをとばされ、そこでコロンブスは言いました。「この茹でたまごを立ててみろ」と。
    住民たちは立てようとしますがどうやっても立ちません。コロンブスはたまごの底をカチッと少し割りいとも簡単に立てて見せました。
    なにが言いたかったというと、やってしまえば簡単なことでもそれをやるまでの仮定は簡単ではないということ。
    アメリカ大陸も見つけたあとは誰でも見つけることはできるがその仮定は簡単ではないということ。をコロンブスは言いたかったのです。

    それでは失礼します

    • コロンブスの卵の補足(笑)
      是非、卵を立ててみてください‼️

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