この初代のひな人形については面白いうわさがある。よくあるパターンと言えば、そうだが、このひな人形の髪がいつのまにか勝手に伸びてしまうので怖い、というものである。これには想像が刺激された。作法室の薄暗い暗がりに、部屋の納戸にしまわれているひな人形が這い出してきて、会話するのである。
男雛と女雛の会話。「君、その髪型もう古くない?」「そうね、平安時代からずっとこれだから、飽きちゃった。今、髪を長くして新たな髪形にチャレンジしようと思うの。生徒たちのように、おだんごにしたり、せいこちゃんカットにしたり、パーマかけたり、茶髪にしたり」「いやいや、君はストレートの黒髪ロングヘアで清楚さを追求した方が似合いそうだがなあ」「うふふ、そうかしら」「あら、あなたの鼻毛も伸びて来たわよ。バカボンのパパみたい。眉毛も白くなって目に垂れ下がって爺くさいわよ。切って整えてあげるわ」「もう、何百年も生きて来たからなあ」。五人囃子たちも参入。「おれはパンクロッカーみたいな怒髪天を衝くふうにしたいな」「わらわはボンバーがよい」「わしはスキンヘッドじゃ」と楽器をチューニングしながら主張する。
深夜の作法室の暗がりから、漏れ聞こえてくるのである。雅楽の曲をパンクロック風にアレンジし、筝や太鼓や横笛、鼓、琵琶を演奏しシャウトするひな壇ステージの五人囃子たち。それに合わせノリノリで髪振り乱し床踏み鳴らし踊り狂う三人官女。そして、リズムに乗って髪を切るハサミのチョキチョキ、飛び散る髪のバサバサ。鼻毛のパラパラ。「おれたちイケてない?」「イエ―ッ!」
ああ、こわ。今、あの初代雛グループはどこにいるのでしょうねえ。
もの凄い会話のはじけ方に脱帽!この飛び跳ねた発想力が妹尾先生のエッセイの面白さですね。この面白さをみんなに教えてやって下さい!
今年の同窓会前に高校時代の写真を見ていたら、この作法室で撮ったバッグにひな壇の写真がありました💦💦さすがに自分がこの写真を持って行く勇気がありませんでした(笑)
なぜかって?なぜでしょう・・・。
自分のことより妹尾先生の怪談エッセイおもしろかったです!
この作法室で撮った写真って、それはきっと私がホームルームで撮ったあげた写真ですね(笑)
楽しく拝読させてもらいました。
雛壇が見たくて何度もお邪魔していた
作法室の空気を思い出します。
かなり年代物なのでしょうね。
来年の雛壇
今時の容姿が見つかるかも?
妹尾先生の妄想の雛壇が出現したら面白そうですね(笑)
ひな人形達の会話が面白いです笑
怒髪天に笑いました笑😆
今後も大笑い出来るエッセイが用意されているようですよ(笑)乞うご期待!
深夜と言っていい時間帯にお邪魔し、えっ雛人形のうわさって・・・
超ぶっとびーでした。でも昭和も平成も見てきたお人形達なら、まだ知りえない次に向けて、新時代を築いても不思議ではないのかも。
今度はみんなのアイドル、チャッピーの不思議が知りたいなぁー。
妹尾先生にお聞きすると当分ネタ切れはないそうです(笑)チャッピーの不思議は果たして・・・。