#ブラックアウトの夜(補・静修版百物語 3 )

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言葉は意味を表すと同時に、その音の響きのイメージを伴います。例えば、サ行(S音)はさらさら、さわさわ、すいすい、せせらぎ、爽快など、さわやかなイメージを与えます。そういう意味では「静修(せいしゅう)」という響きは澄んださわやかさを音の響きに秘めていると思います。これが「ぜいじゅう」と濁音になれば、重く、濁った響きになってしまいます。字を当てて「贅獣高校」など、贅肉のついた獣のようで、最悪です。

カ行(K音)は金属的な響きになります。その語の響きは商品の売れ行きに直結する大切な要素なので、ネーミングには膨大なエネルギーが費やされるそうです。車の車種名にはこのS音とK音が圧倒的に多いそうです。いろんな車種名を思い浮かべてください。

ナ行(N音)は粘りを、ハ行(H音)は軽さを、濁音は重さを感じさせるそうです。怪獣の名前は、圧倒的にゴジラ、ガメラ、キングギドラ、キングコングなど濁音が多いのです。

「静修百物語」で、「べとべとさん」ならぬ「へとへとさん」を登場させました。「べとべとさん」だと背中にベタ-と貼りつくイメージがありますが、「へとへとさん」とか「へろへろさん」だと疲れ切ってよしかかってくるイメージが強くなります。

戯れに番外編で「もこもこさん」を登場させてみます。

 

静修高校には、どの教室にも、もこもこさんがいます。特に昼休みの後の5時間目に出現してくる頻度が高いと言われています。床をもっこり、もっこりと盛り上げるようにしみ出して膨らんでくるのだそうです。そして、集中力が落ちて眠そうな生徒の椅子の下に潜り込むと、椅子の足を這い上り、その生徒の顔や頭を覆うようにしがみつきます。そうすると、その生徒の頭の中はもやもやと霧が立ち込めたようになって、先生の言葉も黒板の文字も朦朧としてきて、すべてが曖昧模糊として理性的な判断が出来ない入眠状態になってしまうということです。それは生徒だけにとりつくわけではありません。時に先生もターゲットになります。そうなると、先生も自分が何をしゃべっているのかもわからなくなり、頭の中がふにゃひゃらひょという言葉で充填されてしまい、まっとうな授業が出来なくなります。

もこもこさんは、時に、ある一つの教室をターゲットにして集団で襲いかかってくることがあります。そうなると防ぎようがありません。先生も生徒も、よだれをたらしたり、大きく口をあけたり、椅子に座ったまま海藻のように揺れ出したりして、もうぐにゃぐにゃです。

こうなるともう打つ手は全くありません。黒板には無数の模糊、模糊、模糊という漢字が現れ、床下あたりから「Ⅰ my 模糊」というわけのわからない呪文が聞こえます。

でも、授業終了のチャイムの音とともに、もこもこさんはすーとかき消えてしまいます。生徒も先生も何事もなかったように正気に戻ります。でもその授業の間に起こったことは全く覚えていません。何事もなかったかのように先生は教室を出ていき、生徒は雑談を始めたり、トイレに行ったりします。つまり、空白の1時間があるだけで、実害は全くありません(無意味な1時間であったという害はあるかもしれませんが)。ただ、何故か「曖昧模糊」という字はみんな書けるようになるのだと言いますから。それはもこもこさんからのお土産のようなものかもしれません。一説には妖怪「睡魔」の親戚筋にあたるのだとも言われています。

 

かくかくさん、こきかきさん、けろけろさん、さわさわさん、しんしんさん、すいすいさん、そろそろさん、たかたかさん、ちんちんさん、つんつんさん、てろてろさん、とろとろさん・・・・きりがありません。こういう妖怪名にキャラを与えて、活躍させてみられたらいかがでしょう。ユニークな発想と妄想力に期待するのであります。

#ブラックアウトの夜(補・静修版百物語 3 )」への9件のフィードバック

  1. 「睡魔の親戚筋→もこもこさん」で私の高校時代のユニークな先生を思い出しました。その先生は教室に入ってくるなり、もこもこさんに襲われている教室の空気を感じとり、「さあ、これから5分間うつ伏せになって寝よう」と言うのです。全員スヤスヤ寝息が聞こえてくるくらい寝入りました。そして優しい声で「さあ、5分経ったよ」と起こすのです。この時の頭スッキリ感は今でも蘇ってきます。
    さあまた、妹尾先生から皆さんのイマジネーションを掻き立てられる課題が出ていますよ(笑)

  2. アイディアマン太郎だな雄太郎は(笑)と思っていたりして😁😁
    ショートショート ←最近なんなのかわかったという。やりましょう!やりましょう!
    ショートショート大会🎊
    読書好きな方がけっこういらっしゃいますしおもしろそうな短編物語が期待できそうですよね!
    実は昔から友達に物語を作ってメールしたりして遊んでいたという‼ 遊びのレベルですがね~(^.^)

    シンデレラの裏話し確か怖い内容でしたよね?詳しくはわからないですが。どんな内容でしたっけ?

    • 遊びのレベルでもショートショートは楽しく作れそうですね(笑)
      さあ、勇ランドさんのイマジネーションが刺激されましたか?傑作を待ってます!

  3. ぜのうゆうだろう。『ゼノー疲れた体にゼノーっと栄養ドリンクみたい』
    いどうみづえ。『移動する光枝になってしまいますね』

    何言っているのでしょう・・・(笑)

    『なるなる妖怪の巻』

    「静修妖怪さん静修妖怪さん!いらっしゃいましたら返事して下さい」

    するとただ指を添えているだけの10円玉がスススーっと動いた。動いた先は《は》と《い》いわゆる「はい」ここに妖怪さんがいるのだ。
    「妖怪さんの名前を教えて下さい」

    10円玉の動く先は《うしろのゆうたろうにきけ》
    だった。
    この妖怪にはまだ名前がない。名前を付けて欲しいそうだ!
    妖怪が言うには「だって静修ができてから我輩はずっといるのだよう。先生方の筆跡はよく知っているよ~あと口癖とかね。我輩は黒板の裏に潜む妖怪さ~。これまでにいろんな妖怪さんたちが登場してきたのだけれど我輩の番がちっとも回ってこない。忘れられていると思ったからこうして出てきたのだよ」
    「黒板に書いた文字を消す時、まれに端っこだけ残っている場合がある。
    この時 生徒たちはその端っこのちょびっとが気になって気になって仕方がないのだ。
    神様にお願いするぐらいの勢いで消して欲しいと心の中で願っている生徒もいる(笑)
    中には「先生~端 消して~」と度胸が据わっている!?タイプの生徒もいる。
    勉強一筋でそんなの全く気にしないガリ勉少女もいただろう。
    後は先生が気づいてくれるのをひたすら待つタイプとかね。

    あなたはどのタイプ?

    それにしても忘れられていたなんてかわいそうだね。

    「同情するなら名前をつけてくれ!同情するなら名前をつけてくれ!」

    この黒板の裏に潜む妖怪さんの名前募集!
    (笑)

    「電子系で教育されていく時代、我輩はいつか無くなってしまうのだろうか?」

    • 黒板の裏にすむ妖怪ですか。発想はなかなか飛んでいますね!面白い‼️

  4. もこもこさん…なんか、可愛い(笑)
    読み聞かせのボランティアをしていますが、生後10ケ月の赤ちゃんとお母さんのグループに、【もこ もこもこ】という絵本を読みました。絵と…
    もこ もこもこ ぷー ふわふわ〜 パチン シーン等と言った単純な言葉だけ。
    赤ちゃん達は、ジィーと見つめていたり…ハイハイで近づいてきたり…。 繰り返しの言葉を真似たり。

    低学年は…読む時に恥ずかしがらないで…
    ドテっ‼️ ブリブリ〜〜‼️とかやると、大笑い(笑)
    そして、おしり…うんち、オナラの絵本も大好き(笑)

    高学年に読む時は、子供ぽい内容だけだと、しらけるので。絵が綺麗な絵本だとか、少し泣けたり…身近な内容を選びます。
    明日の朝は、一年生に、【かばくんのおしり】を読みます。
    年齢に関係なく…良い話しです。

    • 読み聞かせのボランティアとは素晴らしいことをされていますね!だから読書家なんだと納得しました!

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