#チャッピーと怪談(4)

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先の共同研究のなかで、澤井先生が当時の現役の生徒、卒業生、教職員、購買の方、毎晩校舎を巡回する管理人さんなどに取材して収集した静修の怪談話が紹介されている。その見出しの項目だけを拾ってみる。

「生徒玄関の鹿」、「エレベーター」、「地下プール」、「トイレ」、「テニス部の部室」、「体育館」、「オーラが見える先生」、「北校舎」、「玄関(ロッカー)」、「病院跡地説」、「怪談踊り場の鏡」、「放送局」、「5階の女の子」、「教室の窓から外を見る女の子」、「教科書」、「修学旅行」、「首無し4番」、「卓球部」、「夜中、校舎から顔を出す少女」、「昼休みのワンマンショー」、「本校舎理科室~音楽室廊下」、「西校舎」、「夜中の足音」、「写真の煙」、「窓の外の影」、「オルゴールの怪」、「何かに押された(本校舎の教室にて)」、「図書館の怪」、「購買の怪」などである。ああ、あのハナシかなと思い出される方もおられるかもしれない。それぞれに具体的な怪異話が紹介されているが、省略。

ただ、想像も含めて紡ぎ出された怪異譚には、まことしやかに語られた事実に反するウソも混じっている。その想像上のハナシと事実を混同するのは危険である。その点は澤井先生も危惧しておられる。「他の怪談同様、静修の怪談話には事実とは全く違う内容も多く含まれる」として、エレベーター事故で死んだり、プール授業で溺死した生徒もいないし、学校が病院跡地に建てられたというのも、きちんと調べれば明らかだが、全く事実に反している。二基あるエレベーターの片方が使われなかったのも、そこで事故があったからなどということではなく、二基を稼働させる必要性が低く、経費やメンテナンス的な意味でも無駄だから稼働させなかったのだということらしい。

だが、それでは面白くないので、いろいろな想像的な尾鰭がついてしまうのである。でも、そうした身もふたもない事実を越えて、怖い、あるいは可笑しいという話はある。そういう想像力豊かな生徒もいたのであろう。そうして生み出されたハナシの内、代々に渡って受け継がれてきたものは、学年を超えて支持され、新たな装いをまといつつ語り継がれてきたのだろうと思う。

同窓生が在籍しておられたころに語られていた怪談にはどのようなものがあるだろう。その記憶の中の怪談を組織的に収集していけば、「静修の怪談」というような冊子が出来そうである。そういう多様な怪談話がたくさん存在するのは、静修高校の100年近い長い歴史とたくさんの生徒が刻んだ精神活動の累積や記憶の厚みによってももたらされているのだと思う。

ぼくも、死んだら、いつか、怖がらせるため、あるいは面白可笑しいおふざけで、幽霊として校舎のどこかに登場してみたい。でも、その前提には、静修高校の校舎が存在していること、ぼくが幽霊として登場した時、それを怖がり、あるいはげらげら笑う(観客としての)生徒の存在が不可欠である。

今、全国的に小中高あわせて年間500校が統廃合などで姿を消しているという。北海道は年間50校が消えているそうだ。地方をドライブすると、もう廃校になった校舎をよくみかける。静修高校という実体が消えたら、死んだ後のぼくの霊は出番がないまま、南十六条あたりをあてもなく彷徨うしかなくなる。それはさびしく、むなしく、怖いことである。

#チャッピーと怪談(4)」への10件のフィードバック

  1. 怪談話のリストを見ていると半分知らないのがあり、怖いけれど全部知りたいと思いました(笑)
    妹尾先生の死後の過ごし方、幽霊として校舎のどこかに登場したいとのこと(笑)私の方が長生きしていたら妹尾先生の幽霊を見てみたいと思います😂😂

  2. 『静修の怪談』おもしろそう\(^o^)/
    『百物語』の余韻がまだ残っているし、面白かったってのもありホームページでまた掲載してほしいです!読みたい読みたい⤴⤴
    自分の代の時は(バスケ部の幽霊がトロフィーの前で「ディフェンス ディフェンス」と言って出てくる)と先輩に聞いたことがあります。静修はディフェンスの強化チームとも言われていましたから。
    言っておきますが自慢とかじゃなくあった出来事を語っておりんす。そこのところよろしくんす😉😉
    妹尾幽霊が出てきたら百物語というフィクション物語に現実に登場人物として出演してもらいましょう。
    幽霊の姿でまた百物語を語っていたら聞きに行きます。数珠持って(^ー^)

  3. ホームページにまだ終わったはずの百物語が掲載され続けている。同窓会事務局でも摩訶不思議現象で謎めいているとのこと。
    もしやあの世から発信しているのでは?
    『後ろの雄太郎いわくあの世の雄太郎』
    『百一物語』が始まったのである。

    青いペンより✒

    • 百物語の前に掲載するはずだったのを順番を間違えてしまいました(笑)

  4. 自分も死んだら学校を含めあちこちさまよってみたいです。
    でも学校は一人じゃ怖い💦友達と楽しくおしゃべりしながら…なんて全く死後の世界が分かっていませんね(笑)

  5. 先生方の共同研究から、澤井先生の作品が生まれるきっかけになったのでしょうか?
    それとも、少女の頃から怖い話が好きで…長い間ため込んだ空想がパッチワークのように…繋がり作品になったのでしょうか?

    『赤いペン』に続き、『ローズさん』を読み終えました。
    ローズさんを読む途中、アレ?もしかして?と思いながら…。あとがきに、『実は…』とあり、やっぱりそうかぁ〜〜と納得しちゃいました。

    2冊を読み終え、特にローズさんでは、自分の心の狭さに気づき…母親として、1人の人間として…考えさせられました。
    同じ景色を眺めていても、見えているモノや感じ方は同じではないかもしれないと。当たり前のようで、気付いていない事に。妹尾先生の紹介で、澤井先生の作品に出会え…。
    今、1人静かに考え込んでいます(笑)
    物語の街に…ゆっくりと行こうかな。

    図書ボランティアの仲間にLINEで、2冊を紹介したら‼️
    赤いペンは、すでに読んだよ〜〜‼️第二弾は、知らなかったので、早速読み始めました‼️と、返信がありました。
    司書さんも、小学校の図書室に加えてくれるようです。

    • 赤いペン、ローズさんを読んでいない人が、読んでみたくなる読後感想ですね。きっと澤井先生も喜んでいることと思います!?直接お会いしてお話を聞いてみたいですね。お茶会が実現できたらいいのですが……!

  6. 『赤いペン』 『ローズさん』読みました。読みやすいです。おもしろいです。
    よっちゃんさん同様、ローズさんを読みながらあれ?っと気にかかるものがあり、あとがきで おぉ~と納得しました。
    そして前に卒業した娘が澤井先生、岡部先生、妹尾先生の書いた『学校の怪談』を読んですっかりのめり込み、先生たちに静修の怖い話を聞いてまわってたことがあったのですが、その時澤井先生が娘に「聞いて聞いてそういう話大好きなの~」と嬉しそうに話してた顔を思い出しました。あの感じ、、物語に出てくる文楽館のちはやさんのイメージと重なります。ちはやさんのモデルは澤井先生本人なのかな、、
    次のお話が出るのを楽しみにしてます。

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