#チャッピーと怪談(2)

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岡部先生は放送局で「チャッピーは草原の夢を見る」というタイトルのテレビ番組を制作されたとのことである(その作品を見たことはないが、とても興味がある。見てみたい)。その際、「放送局員が生徒に取材してみると、「どうしてチャッピーは夜中にはしるのか?」と聞いたところ、多くの生徒から同じ答えが返ってきた。「チャッピーは死んでからも台座にしっかり固定されて身動きが取れなくてかわいそう。だから、誰も見ていないときだけでも自由になりたくて、こっそり夜中に走り回ってるんじゃないの?」

この生徒たちの答にぼくはなるほどとうなったのである。岡部先生は、そこから「固定されて身動きが取れないのは生徒たち自身である」と読み解く。学校という秩序の中で、試験や、校則や、人間関係に縛られて窮屈に「固定されて身動きがとれな」いという心理状態が、台座に固定された鹿の姿と共感的に二重写しになり、せめて無人の夜ぐらいは解放して、自由に走らせてやりたいというような心情的な共感が、この鹿伝説を生み、支えてきたのではないかというような趣旨の分析をしておられる。納得できる解釈である。

澤井先生はその鹿に問谷先生が乗って走り回るという筋立てに注目して次のように分析しておられる。

「バレー部顧問の先生は当時とても怖い存在だったらしい。大柄で、体育館で仁王立ちになりバレー部の指導をする。現在は包容力が全面に出ている先生も、25年前は生徒指導などで恐れられていた。(中略)怪談を語っていた当時の女子生徒たちの気持ちも容易に想像できる。「あの先生、スカート丈長くしていたら(当時はくるぶし丈流行中)すっごく怖い声で叱るんだよね。腹立つけど、大きいし勝てないし、仕方ないからスカート普通丈にしたさ。でも、悔しい~。鹿の剥製の上に乗っけてやる!」かくして化学の先生は鹿の上に乗り、しかも王子様の格好をしていたなどというバリエーションまで発生する。王子様の格好の話を作ったのはバレー部の生徒かもしれない。日ごろの練習の恨みを想像の中で間抜けな格好をさせることによって晴らす・・・」。

すでに流布していた鹿伝説の基本の枠組みを利用して、こうした新たなバージョンが生まれたのかもしれないなあと思う。でもこのハナシには顧問教師に対する生徒たちの愛が感じられる。

ところで、あの鹿は、いつから、なぜチャッピーと命名されたのだろう。(・・・続く)

 

#チャッピーと怪談(2)」への5件のフィードバック

  1. 鹿伝説の基本の枠組みをベースに新たなバージョンね。こういうことを考察したり分析する人たちがいるのが面白いと思いました🙋
    小説の素材にもなっていくように思います。

  2. おはようございまっする!『チャッピー』って実は自分も高校時代そのような名前がつけられていたことは知らなかったのです。みなさんも知らなかったのはそれはそのはずなのでした。『チャッピー』と名付けられたのは共学になってからのことでした。
    走り回るという伝説の謎がどのような理由からだったのか知れて良かったです(⌒‐⌒)
    代々受け継がれる伝説となるでしょう!

    • チャッピーの命名はまだ解明されていませんよ!(・・・続く)となっています!笑)

  3. あれれー、チャッピーの名前は共学になってからのことなんですか?
    それ以前の名前あったでしょーの人達は、違うニックネームで呼んでいたのかも知れないですね

    うーん、自由に走り回りたいかー、でも全てが自由で好きにしていいと言われたら、逆に日本人は困りそうだなーって気がします。

    チャッピーの命名の謎は解けるんでしょうか、とっても楽しみです。

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